今回ご紹介するのは、マラウイ南部ブランタイアのチロモニ地区にあるせいぼのオフィスから15kmsほど離れた場所にある、山間部の幼稚園、Makapwaについてとなります。
Makapwaに給食を届けるのには、長い距離の移動が必要になり、車だけではなく、途中から歩いて保育園に入っていかなくてはいけません。
都市であるブランタイアからも離れているため、Makapwaの周辺の共同体の人々のほとんどは、自分の畑の作物やチャコと呼ばれる木炭を取り、それらを販売することで、生計を立てています。
都市部へ買い物にいくには、約30kmsの道のりを移動しなくてはいけないことになります。
Makapwa保育園は、2010年から始まりました。
大きなメインの建物が、バオバブの木の近くにあり、その建物のすぐ隣に給食を摂るためのスペースがあります。
この保育園が、唯一のMakapwa周辺の共同体の持っている保育園となっています。
設立の当初は、地元の共同体からの支援で、子供たちへの食事の提供などが実施できていました。
食事は、せいぼが提供しているのと同様の「リク二パーラー」というトウモロコシをお湯で溶かして固めた御粥でした。
しかし、こうした地元からの支援は、長くは続きませんでした。
写真にて、皆様にご紹介している建物は、一度再建をされた後にできたものとなっています。
最初の建物は、共同体のメンバーによって建てられ、火で焼いて固めて作った瓦礫と、草で編んだ屋根、そして地元で取れた土を利用した床によって、作成をされました。
しかし、よく雨による水漏れなどが起こり、もともとの建物は倒壊してしまいました。
写真で見て頂くことができる再建後の建物も、実はもともとの建物と同じ材料で作られています。
従って、十分な安全性もなく、一時的に使用ができる建物に過ぎないのが現実です。
一方で、共同体にはさらに頑丈な建物を作るための道具はありません。
雨期には雨が毎日多く降るため、おそらく部分的な修繕が必要になります。
もしくは、最悪の場合、もう一度再建が必要になってしまいます。
今後せいぼは、Makapwaの上記のような現状を受けて、支援を拡大していく予定ですが、現在においては、皆様にまず、現状の説明をさせて頂いています。
今後、皆様のご支援をお願いすると思いますが、どうぞよろしくお願いします。
こうした状態の中でも、せいぼは今までもこのMakapwaに対して、皆さんのおかげで支援をしてきました。
学校給食を届けるというせいぼのミッションを果たし、この共同体全体を助けることに繋がっています。
共同体のお母さんたちが、子供たちを積極的に学校に通わせるようになり、子供たちの出席率も増えました。
また、お母さんたちは自分で食事の調理の手伝いをしてくれ、結果として自分の子供たち、そして自分自身も含め、食事を摂ることができています。
家庭によっては、十分に栄養価のある食事を作れていないため、リク二パーラーが家庭の中で最も栄養価の高い食事になるケースもあります。
もちろん、Makapwaには多くの課題もあります。
長年の間、この保育園はたった一人のボランティアによって支えられていました。
その理由は、従業員を入れるほど金銭的な余裕はなく、彼らにモチベーションを与えることも難しかったからです。
そんな中で、せいぼは他の保育園との間で、コンペを開き、保育園の経営、子供たちの成長の度合いを比べ、優秀だった保育園を表彰する取り組みを実施しました。
その結果、Malapwaは優勝し、共同体の人々が働くモチベションを得ることができました。
その後、保育士は3人増え、最近2人がさらに入りました。
こうした小さなチームで運営されている保育園ですが、大きな力を持っています。
上記の保育士のうち、Fynessさんという方のみが、幼児教育のトレーニングを受けています。
Jenniferさんは、以前トレーニングコースを受講していましたが、妊娠後そのトレーニングを中断しなくてはならず、現在まだ終了できていません。
他の保育士は、何の免許もトレーニングも持っていない状態です。
村長と話をする中で、共同体にとって現在必要とされていることが分かってきました。
それは保育士のトレーニングです。
せいぼのパートナーであるマザーテレサチルドレンセンターと協働し、せいぼは幼児教育のトレーニングを実施することになっており、開始を2021年8月第1週からとしています。
64日間のトレーニングとなり、Makapwaの皆さんの大きな力になることを望んています。
The Makapwa Challenge
・両親の協力の必要性
月額MK200(27円程度)の負担が、それぞれのお母さんから必要になります。
Makapwaには約50人の子供たちが登録されています。
しかしまだ、5人のお母さんからしか、返事がもらえていません。
・清潔な水へのアクセス
井戸が現在、Makapwaにはない状態です。
水を摂るためには、近くの小川に行き、そこにある小さな穴から汲んでいくことになります。
そこから運ばれる水は、飲み水、調理用として使用をされています。
せいぼは、こうした状態を解決していくために、水を汲むための容器と、清潔にするためのフィルターを一時的な対処として提供しています。
この水を運び出している小川の穴は、乾くことはなく、いつでも水を汲むことができますが、乾季に入ってしまうと、水の量が少なくなってしまい、掘らないと十分な水が手に入らないという問題もあります。
・保育園の教材の不足
せいぼの実施したコンペでの勝利によって、4つの教材用の図表(アルファベットなどが書いてある表)や、7冊の本を入手することができました。
一方で、50人の子供たちの指導を実施するためには、上記の教材のみであると不足してしまうにも現状です。
Makapwaの現状と課題
Makapwaだけでなく、マラウインには多くの保育園、幼稚園が同じような課題を抱えています。
しかし、Makapwaはその課題にも屈せず、しっかりと向き合い諦めないで取り組んでいます。
その理由もあり、私たちせいぼは、特にこの共同体のために、皆さんの支援を頂きながら活動を進めています。
学校給食、保育士のトレーニング、そして新しい学校を立てて、ずっと使えるような安定した場所を提供できればと思います。
Makapwaの新たな学校建設の計画
ブランタイアのチロモニ地区にあるビーハイブ職業訓練センターには、多くの事業があり、その中の建設部門に相談をしました。
彼らは、現在、ビーハイブの敷地の中に、小学校を建設中です。
さらに彼らは、Makapwaのためにも8月から建設を実施してくれることになり、9月の学校の開始に向けて、動き始めてくれています。スケジュールとしてはとてもタイトですが、取り組んでくれることになっています。
建設の費用としては、MK900万程度となり、USD11,000、日本円で120万円程度となります。
ご支援は、こちらから実施が可能です。
これからもせいぼは、Makapwaを始め、学校給食支援に加え、それに繋がる支援を中心に活動を拡大していきます。
皆さんのご支援をお待ちしております!