学校での子どもたちの栄養管理、健康について考える組織SHNの結成
私たちせいぼは、子どもたちに給食を届け、そして彼らの体調を管理しています。こうした動きを、私たちは常に考えるだけではなく、行動に移していくことを意識して活動しています。
皆様のご協力のおかげで、ムジンバのカプータ地区の全ての小学校に給食を届けることができています。さらに、現地のコミュニティの人々は、SHN(School Health & Nutrition)という組織を立ち上げました。学校での子どもたちの健康管理に力を入れるために組織です。こうした形で、私達の活動に答えてくれました。この組織の主な目的は、海外の株主とともに給食事業を展開し、現地で課題が出てきた際に、現地の教育省に対して対応の改善などの提案をしていくものです。こうした働きを通して、現地での給食事業中に出てきた問題を、多くの人々と共有し、解決へ導くことができます。
この組織は、学校給食を担当する市議会の方々、村長たち、そしてお母さんたちのグループによって構成されています。両親と先生たち、そしてせいぼのスタッフも関わっています。彼らが一緒になって、学校給食が生徒たちにとってどんな影響を与えているかについて議論をします。
そしてさらに、給食が持つ学校全体への影響、また多くの地域への影響の広がりについても話し合われます。こうした体制を作っていくことで、私達それぞれが課題について共有し、学校給食がさらに力を得るようにしていくことができると思います。
マルチン・ルーサー・キングの言葉でこんなものがあります。
「人生の中には、最も時間がかかってでも答えなければいけない問いがあります。それは他者のために何ができるかという問いです」
まずは決断をする。そして実行に移すことです。そうすることで、成功は生まれていきます!
そして、いつも笑顔でいましょう!
みなさんの協力で、以下のような現地からの声が来ています。給食事業の成果がこうして見えています。
「学校を休む生徒が減りました。そして出席率が増えています。」
こうした言葉の背景には、過去、多くの子どもたちが学校の来られず、苦しんでいたが、現在ではそんな子どもたちが、学校に来るようになったという事実があります。
定期的に学校に来ることは、子どもたちがより長い時間学校という環境にとどまり、学習ができるということです。カンイェレーレ小学校の先生であるフェイスさんは、少しでも空腹状態から離れることができることで、子どもたちは学習に集中する時間が増えます。そうすると、子どもたちの授業全体の取り組みが変わり、良くなっています。
「子どもたちの健康状態が改善しました」
貧困で苦しんでいる家族は、「何を食べようか」と選ぶ余裕がありません。そのため、子どもたちの栄養は偏りがちになってしまいます。そして栄養失調が増えてしまう原因となります。ムジンバLEA(地元の教育省が管轄している)小学校では、2人から3人の子どもたちが栄養失調になるところでした。しかし、学校給食がスタートし、こうした深刻な状態を抜け出すことができました。
「学校の登録生徒数が増えました」
通常では、チャングルベ小学校に6つのクラスがあり、その中には25人の女の子と、1人の男の子がいました。しかし、クラスの担任であるモーセス・フィリさんによれば、学校給食が導入されてからは、7人の学校をやめてしまった子どもたちが戻ってきました。
「授業での態度が良くなりました」
子どもたちがお腹が空いてしまうと、授業から抜け出し、町で物乞いを初めてしまいます。特に町の近くに住んでいる子どもたちはそうしたことをしてしまう子が多いです。さらには、授業を抜け出して、道端で食べ物を拾ってくる子どもたちもいます。しかし、学校給食が導入されたことによって、こうした子どもたちの行動は少なくなりました。
「時間をしっかり守るようになりました」
新しい教育省の方針によって、学校の授業が始まる前に、給食を提供することになりました。そのことで、子どもたちが学校に時間通りに来るようになりました。
私たちは、簡単なことだけを目の前にしていても、成長しません。
しかし、困難を乗り越えることで成長していきます。
しっかりと目の前の課題と向き合っていくことが大事です!
私たちは、以下のような困難も抱えています。それらをどう乗り越えていくべきか。それを考えていくことで、私達も成長をしていきたいと思います。
「ボランティアの出席率と時間管理における問題」
ボランティアの人々が、時間通り、定期的に学校に来てくれない場合があります。ある学校では、欠席となってしまったボランティアの埋め合わせとして働いてもらうボランティアがいるところもあります。こうしたことが多くなってしまうと、給食を提供する時間がずれてしまったり、場合によっては提供できなかったりすることもあります。
2017年には、MoEと言い、学校給食事業を行う上での「覚書き」がありました。その中には、学習時間の妨げにならないように、朝7時30分までに子どもたちに給食を摂ってもらうという内容が含まれています。カプータ教育区にある小学校の子どもたちは、一番早くても10時から11時の間に食事をしています。ほとんどの学校が、時間を守れるように努力をしていますが、ムジンバLEAなどの学校では、午後1時になってやっと調理が始まるため、給食を待っている子どもたちが、外をうろうろ歩き回ることになってしまっています。
「在庫管理の不十分さ」
給食を管理する倉庫の状態が、十分に清潔ではないのが現状です。さらに、こぼれてしまった食べ物が固まってしまい、ストーブに汚れが目立ってしまっています。こうした状況は、現地のメンバーの中で共有され、子どもたちの衛生面に影響がないようにしていかなくてはいけません。
「調理場の未完成状態」
チャベレやムジンバLEAでは、まだ調理場が未完成の状態です。このことによって、ボランティアの方々は、調理する際は毎回倉庫から調理道具やストーブを取り出してから、仕事を始めなくてはいけません。従って、彼らは本来必要ない労働をしなくてはいけなくなってしまい、疲れが出てしまいます。チャベレの場合、調理場の屋根が強風で飛んでしまっています。2017年5月に訪問した際には、こうした現状が垣間見えました。
最後に・・
マラウイは、多くの困難に直面しています。その具体例は多くありますが、栄養失調の子どもたち、生徒を抱えきれず不安な日々を過ごすスタッフたちなどがいます。しかし、その一方で、マラウイには陰で支えてくれる多くの人々がいます。彼らはそばにいる地元の協力者なのです。彼らの存在、そしてその粘り強い力は、SHNの発足という形で目に見えるものになりました。
私たちは、自分が言った言葉や頭の中にある考えに捕らわれているのではありません。実際にそれらを行動に起こした時に、私たちは大きく成長していくのです。
これからもご支援のほど、よろしくお願いします。