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せいぼじゃぱんからのお知らせ
せいぼじゃぱんからのお知らせ
マラウイの栄養調整と給食支援
公開日:2025.02.25


2024年12月、マラウイ国立統計局(NSO)とICFインターナショナルが発表した2024年マラウイ人口動態保健調査(MDHS)主要指標報告書は、マラウイの現状を浮き彫りにしてくれました。
せいぼの活動の重要性と今後の課題にも繋がる内容となるため、この場で紹介できればと思います。

この調査は、マラウイ政府、米国国際開発庁(USAID)、世界銀行、国連児童基金(UNICEF)、国連人口基金(UNFPA)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、グローバルファンドなど、多くの機関の支援を受けて実施されました。

せいぼの活動と関連性の高い調査結果
以下で、私たちせいぼの給食支援と関連が深い内容を羅列させて頂きます。

1. 栄養状態:
調査によると、5歳未満児の38%が低身長、2%が消耗、10%が低体重と診断されました。これは、食糧不足や栄養不良が深刻な問題であることを示唆しており、せいぼの給食支援活動の重要性を裏付ける結果となっています。特に、低身長は慢性的な栄養不良を示す指標であり、長期的な支援の必要性を示しています。

2. 母親と子供の健康:
妊婦のケア:
妊娠中の適切なケアを受けた女性の割合は高く、96%に達しました。これは、妊婦健診の普及が進んでいることを示しています。しかし、妊娠中の鉄分サプリメント摂取率は79%と、完全な普及には至っていません。さらに、新生児破傷風の予防接種を十分に受けている母親は89%に留まり、予防接種率向上が課題となっています。

分娩時のケア:
熟練した医療従事者による分娩介助を受けた割合は96%と非常に高く、医療アクセスが向上していることが分かります。しかし、分娩施設での分娩率は97%であり、依然として家庭分娩によるリスクを抱える妊婦がいる可能性も示唆しています。

新生児死亡率:
新生児死亡率は1000出生児あたり24人、乳児死亡率は35人、5歳未満児死亡率は48人と報告されました。
これは、新生児期の死亡リスクが依然として高いことを示しており、適切な医療と衛生状態の維持の重要性を改めて示しています。

子どもの予防接種:
基本的な予防接種を完了した12~23ヶ月児の割合は67%にとどまり、国民スケジュールに則した完全な予防接種率は47%でした。これは、予防接種率の向上に向けた継続的な取り組みが必要であることを示しています。

マラリア:
殺虫剤処理済蚊帳(ITN)の所有率は59%に達しましたが、2人に対して1つの蚊帳を所有する世帯の割合は26%と、目標達成には至っていません。マラリア対策としての蚊帳普及に加え、予防薬や早期治療のアクセス向上も重要です。

3. 家族計画:
避妊具を使用する既婚女性の割合は68%で、そのうち現代的な方法を使用しているのは66%でした。一方、家族計画のニーズを満たせていない女性の割合は13%と依然として高く、家族計画に関する啓発とアクセスの向上が必要不可欠です。

4. HIV:
15~24歳の若者の間でHIV予防に関する十分な知識を持っている人の割合は40%(女性)と39%(男性)であり、性教育の強化と啓発活動が不可欠であることを示しています。

せいぼの活動と今後の課題:
MDHSの調査結果は、せいぼの活動がマラウイの栄養不良や健康問題の改善に貢献していることを裏付けることにも繋がるかもしれません。しかし、課題も多く残されています。

・栄養不良の根絶に向けた、より継続的で効果的な給食支援プログラムの開発と実施。
・予防接種率の向上に向けた、啓発活動やアクセス向上のための支援。
・マラリア対策としての蚊帳普及、予防薬や早期治療のアクセス向上への取り組み強化。
・家族計画に関する啓発活動の推進と避妊具のアクセス向上。
・HIV予防に関する性教育の強化と啓発活動。

今後の活動に向けて
MDHSの調査結果は、せいぼの活動の重要性を再確認すると共に、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた今後の課題を示しています。せいぼは、これらの課題を踏まえ、関係各機関と連携しながら、マラウイの子どもの健康と栄養改善に貢献していく必要があります。