初回は、現地の食文化を通して、マラウイをご紹介できればと
思います。私達の生活で日々の活力となり、
主な関心ごとの一つになっているのは「何を食べるか」だと思います。
それは、東アフリカマラウイでも一緒です。
マラウイでは、天候といつも対話しながら、日々の食べ物を確保しています。
11月頃から始まる雨期のために3月、4月の収穫時期に採れた食べ物を貯蔵しておいたり、
12月の雨季に収穫時期に向けて働いたりなど、日々、「食」とのつながりを強く感じて生活をしているようです。
それでは以下で、田中さんの記事をご紹介し、現地の食文化に迫りたいと思います。
マラウイではどんなものを食べているの?
マラウイの主食となっているのは、トウモロコシやカッサバを干して
粉にしたものを炊きながらこねる「シマ」です。
お米は庶民には高価なものですが、収穫シーズンにはお米を食べる事もあります。
普段は一日2食の人も多く、昼、夜は煮豆、野菜などと一緒に「シマ」を食べますが、
朝食は食べるとしても簡単に済ませることが多いようです。
食卓の主菜は?
主菜は豆類が豊富で価格も手頃なので最も好まれますが、マラウイ湖で釣れる種類豊富な魚、
特に国の魚ともいわれる鯛に似た”チャンボ”の姿揚げは格別です!
煮干しに似た魚”ウシパ”などは乾燥させてしばらく保存できるため、
農村や山間部でも手に入ります。そのほか、鶏肉、山羊肉、羊肉、牛肉、
豚肉などをトマトと玉ねぎと一緒に煮込んだ料理が一般的です。
マラウイならではの副菜色々!
年中食卓に上がるのは、マスタードの葉、白菜、オクラ、オクラの葉、
かぼちゃの葉、サツマイモの葉、カッサバの葉などです。
これらをトマトやピーナッツの粉と玉ねぎで炒め煮にして塩味を足したのが一般的な食べ方です。
人参、ピーマン、なす、きゅうり、ガーリック、しょうがなども手に入りますが、
マラウイ人にとっては高価で日常的に料理に使う食材とは言えないでしょう。
下の写真は、キャッサバとなっています。
少し変わった食文化
野ウサギを食べたことがあります。やわらかい鳥の胸肉のような食感でした。
また、マラウイの一部では鼠の串刺しを売っているのを見かけたことがありますが、
試す勇気はちょっとないですね。
それと....蛇肉、像の肉などを食べる地域もあるそうですよ!!
食べ物から見える現地の生きる知恵
食べ物をこうしてみていくと、現地の人がどうやって生活をしていくか、
そのための知恵が見えてくるように思います。
次回はこのような食文化の中で育まれる子どもたちの姿を、「教育」をテーマにご紹介していきます。
せいぼから補足情報:マラウイの食糧確保の現状
“Famine Early Warning System Network”の最近の記事によれば、
マラウイでは2018年4月から9月までは、大部分で全般的に十分な食料が確保できると予測しています。
しかし、干ばつや害虫の大きな被害を受けてしまった場所には少し食糧確保の上では懸念があるようです。
また、昨年2017年~2018年における雨期(11月~4月頃)は、例年よりも雨量が少なかった影響もあり、
今年から来年2019年にかけては、食糧備蓄に不安があるとも言えます。
こうしたことから、昨年2017年に摂れた作物の備蓄、今年の農作物の割合を考慮して、
現地では日々、天候との対話が続いていきそうです。
せいぼも現地の声を大事にし、その現状になるべく寄り添いながら、
たくましく生きているマラウイの皆さんと一緒に活動をしていきたいです!