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せいぼじゃぱんからのお知らせ
せいぼじゃぱんからのお知らせ
アタカ通商様のご講演とワークショップ
公開日:2024.08.08


2024年8月3日、NPO法人せいぼは上智大学環境サークルであるGreen Sophia、フェアトレードを推進する中央大学の学生団体FACT、そして白百合大学の協賛を頂き、「第3回コーヒー好き集まれ!コーヒーから⾒えるエシカルな社会」を開催しました。
今回で3回目を迎えるこのイベントは、主に大学生と一緒に、未来の世の中に向けてどのような仕事、消費文化を作っていけばいいのか、そして具体的に学生が実施している活動の共有、協働への促しを目的としています。
今回は、イベントでは、中央大学、上智大学、立教大学、東京理科大学、国際基督教大学などの学生が来てくれました。

主なプログラム

NPO法人せいぼに対して、マラウイ産コーヒーの生豆を提供してくれているアタカ通商株式会社の代表取締役、荒木様にお越しいただき、コーヒー業界の魅力と将来への展望について、お話を頂きました。
内容としては、北海道の最北端である礼文島に生まれ、家族的で自然豊かな環境を故郷にし、サラリーマンとして安宅産業に就職をされたお話、そしてそれが人、生産地を大事にし様々なコーヒーの市場を開拓してきた背景になったことを、まずお話くださいました。
アタカ通商様は、ルワンダ産コーヒーなど、今では多くの市場に流通している豆を、初め輸入した会社でもあります。
マラウイ産も、アタカ通商様が初めて日本への輸入をした商品です。

アタカ通商様が考えるフェアトレード

ビジネスで大事にしているのは、産地との信頼関係であると、荒木様がおっしゃっていたのが、印象的でした。
フェアトレードという対等な交易の土台には、お互いを信じあう関係性が長く構築されなくてはいけないとのことでした。
例えば、ある土地で霜が降りてしまい、例年のように生豆が獲れないときでも、その農園から仕入れるのをやめず、通常の値段で購入をし続けることにしているとのことでした。
こうした取り組みによって、生産地で働く人々は安定した収入を得ることができ、収穫高や品質が良い状態のとき、優先してアタカ通商様に生豆を提供してくれるそうです。

荒木様は、2017年よりマラウイの生豆を学校給食支援に還元する取り組みを、NPO法人せいぼと実施をしてくださっています。
ただ、市場にマラウイ豆を広めるだけではなく、それを生産国の未来を担う子供たちに還元することが、長期的なビジネスの目的になっている点は、とても魅力的に感じています。
アタカ通商様のSDGsの取り組みとして、NPO法人せいぼとの協働は、全日本コーヒー協会にも取り上げられています。
詳しくは、こちらのアタカ通商株式会社様のウェブサイトからもご覧ください。

学生のワークショップ

アタカ通商の荒木様の講演も受けて、以下のことを学習しました。

・コーヒーを始めとした商品のサプライチェーンを知ることの重要性
・コーヒー2050年問題を例にした環境問題と今後の産業で必要なこと

上記のテーマによって、生産者の姿を知って商品を購入することだけではなく、日々の選択の中で重視すべき価値観を考える機会にもなりました。
また、NPO法人せいぼのマラウイコーヒーとアタカ通商様の協働の具体例もあり、サプライチェーンの中にNPOが入ること、そして学生が代理販売をするなどでさらに広げていくことで、私たちにもたくさんの社会貢献、コーヒーのフェアトレードのためにできることがあることも実感できました。

最後に、NPO法人せいぼのスタッフによって、金融教育も兼ねたGame of Choiceというワークショップを実施しました。
このゲームでは、5つの班(企業、NGO、消費者、小売店、生産国の企業)に分かれ、企業が生産国の児童労働に加担をしていたことが判明した想定で行うゲームです。
企業チームが記者会見を開き、それぞれのセクター、関係者に説明を、妥協案を見つけていくというものです。
こうしたワークを通して、サプライチェーン、フェアトレードを考える機会となりました。

最後に、白百合女子大学の英語英文学科4年生、中村星瑛さんから頂いた感想を載せさせて頂きます。
「今回のワークショップを終えて、まず今後のフェアトレードについて考えました。サプライチェーンの各段階で環境への負荷がかかってることを学びました。
また「コーヒーの2050年問題」について初めて知りました。そこで、今後のフェアトレードは適切な価格で商品を取引するだけではなく、環境負荷への対策を視野に入れなければならないと感じました。加工段階での廃棄物を別の商品に加工するなど、豆以外を利用し環境にやさしいコーヒーづくりをすることで、生産者の生活や環境を守ることに繋がると考えました。

次に自分の職業観について考えました。
荒木様のお話では「コーヒーは魅力的で不思議な飲み物」であり、人生の重要要素となっていました。
ここから、探究心が仕事においては欠かせないと感じました。コーヒーは単なる飲み物ではなく、人や作り方によって味が変わる繊細さや、コミュニケーションの役割を果たしているなど、多くの側面を持っていることを初めて知りました。
探究心は自分の仕事を好きになることにも繋がると思います。そのため、今後は探究心を忘れないようにしたいです。」

今回の講演会、ワークショップは、アタカ通商様、白百合女子大学の皆さまの会場のご提供などもあり、とても実り豊かなものになりました。
これからも、世界の未来のためにできることを、続けていければと思います。