ページトップへ戻る

せいぼのはじめ
せいぼのはじめ
マラウイとの出会い

せいぼの現在の支援企業のMobellの代表であるTony Smith(トニー・スミス)は、親族の紹介で、マラウイを訪問しました。彼は、現地を歩いている中で、数人の女性に「ここでは何が最も必要なのか」という質問をしました。彼は初めて訪れたマラウイの人々は、どんな人なのか、そしてどのようなことを必要としているのかを、捉えようとしていました。そして彼女達は、「若者への仕事が必要!」という答えを、彼は迷わず返してきました。その時彼は、食べ物やお金といった答えではなく、若い人たちへの仕事が必要という答えを聞き、感銘を受けました。トニーのビジネスとチャリティの起源は、こちらもご覧ください。

そこで彼は大きな決断をします。彼のビジネスの収益を使用し、現地に雇用機会を生み出すために職業訓練センターを立ち上げることにしました。その場所に選んだのは、南部のブランタイアという都市のチロモニ地区で、とても貧しいコミュニティでした。しかし、ここが後に学校給食支援の拠点にもなる場所となります。 現在、この場所はMary Queen of Peaceという教育キャンパスになっており、せいぼの給食も提供されていて、成人した大人が職業訓練を受ける専門学校までが配備されています。詳しくは、こちらもご覧ください。

社会貢献事業のためのビーハイブ
動画の要約を読む
山のふもとにあるチリモニという村に位置するのが、ビーハイブです。ビーハイブは、地元の人々によって管理されているもので、建物を作るためのレンガ作り、コンピューターなどのIT(情報技術)、さらには重機の貸し出しなどの仕事によって成り立っています。
全ての仕事は、非営利の形で行われています。余剰利益は、全て次の仕事のための経費、もしくはさらに大きな社会貢献型ビジネスの形を作り上げていくために使われています。例えば、ローマ教皇であるヨハネ・パウロ2世によって促進されているIT学校や、マザー・テレサ チルドレンセンターのために、事業で得た利益が使われています。
育児センターの動画をご覧ください。
動画の要約を読む

マラウイのチロモニ地区では子供達が幼児期に質の良い教育を受けることができるようにマザー・テレサ・子供センター(MTCC)という施設を置いています。MTCCと地元保育園が連携したパートナーシップという取り組みによって、本やおもちゃの貸し出しを行っています。また、MTCCの奉仕活動チームによって、保育士に子供達が教育に対して求めているニーズを理解させ、保育園の環境を整えていくことを目指しています。奉仕活動チームは実際に地元保育園を訪れ、子供達との交流を通して正しい教育方法を保育士たちに示したり、ワークショップをしたりして、幼児期の成長に必要な基礎知識や子供たちが学力を向上させるために、彼らが保育士としてすべきことについて、指導を行っています。また公衆衛生改善クラスでは、保健衛生ワークショップの一環として、チロモニ地区の保育園でバケツと石鹸が配布されました。 MTCCによるサポートは子供達へ質の良い教育を提供するだけでなく、保育士たちに仕事をすることの楽しさや満足感与え、彼らの生活をより良いものへと導く機会を与えているのです。

2007年、Tonyは職業訓練センターであるBeehiveの運営を開始しました。現在では、Mary Queen of Peace Education Campusと、Beehive Digital Campusという、職業訓練を兼ねた幼稚園から専門学校までの教育キャンパスと、ITなどを中心とした仕事を実施する場所に分かれています。現在も、Beehiveが教育、仕事の提供という機能を果たしています。そして、せいぼが子供たちへの給食を作ることで、食事の提供の分野を担い、お互いにマラウイの若い人たちの成長を支えていくために、協働しています。

マラウイでは、こうした一貫した教育、そして職業への応用ができる場所が少なく、現在のチロモニ地区での取り組みは、現地を変える大きな力を持っています。


更なる挑戦と学校給食のスタート

2015年、職業訓練センターの発展の最中に大洪水がマラウイを襲ってしまいました。その時、多くの5歳未満の乳幼児が亡くなりました。この出来事を受けて、Tonyを始め当時彼を中心に集まっていたBeehiveにいたボランティア、彼がもともと実施をしていた学校給食支援プログラムの関係者などとともに、現地に必要な支援を再検討しました。

そこには、日本から別のプログラムでマラウイに派遣されていたボランティアがいました。英国、マラウイ、日本の3ヵ国が中心になって、その時に最も重要と判断したのが、子ども達の空腹を癒し、それと同時に教育の機会も与えることができる学校支援の拡大でした。そこで始まったのが、せいぼマラウイという学校給食支援プロジェクトです。

現在では、Beehiveの敷地であった場所の近くに、せいぼマラウイの事務所が設置され、ここから保育園、幼稚園に対する学校給食の配布に出発しています。そして中ではスタッフが、日々子ども達に温かい給食を届けるために働いているのです。

Seibo Malawi Office

(マラウイ ブランタイヤ市のせいぼマラウイ事務所 )


「せいぼ」という名前の持つストーリー

上記の現地にいた日本人の協力者の中に、サワコ・ネービンさんという方がいらっしゃり、せいぼマラウイがスタートする際、大きな役割を果たしてくださいました。マラウイ現地の人々は、彼女への感謝、そして彼女の母校の名前にちなんで、Seibo(せいぼ)という名前を使うことにしました。「せいぼ」は「聖なる母」という意味であり、学校給食を通して、多くの人々の成長を作り上げていくことも、その名前の由来です。こうして、マラウイの貧困を、学校給食という手段を通して改善し、全ての子供たちに学校給食を提供するための活動が始まることになりました。

「貧困は、単なる偶然の事故ではありません。奴隷制度やアパルトヘイトのように、それは人間の作り出したものなのです。だからこそ、それは人間の行動によって取り除くことができるはずなのです。」
(ネルソン・マンデラの言葉より)