マラウイは平和で、政治も比較的安定している国ですが、世界の最貧国の一つでもあります。マラウイの日常の中では、多くの問題が連鎖的に起こってしまっています。干ばつや洪水によって作物がなくなり、貧困に拍車をかけてしまうことが多く発生してしまいます。マラウイは、約1,730万の人々が住んでいますが、その67%以下が25歳未満です。そして、その多くが農業に従事し、日々の食糧をやっとの思いで手に入れています。
1994年、マラウイ政府は小学校の無料化を図りました。それでも30%程度の小学生は、まだ学校に通うことができていません。こうした子どもたちが学校にいけない理由は、農作物を育て、食べものを得なくてはいけなかったり、歩いて食糧を見つけに行かなくてはいけなかったり、さらには現金収入のために小さな仕事をしたり、家の兄弟の手伝い、両親の世話をしなくてはいけなかったりといったことがほどんどです。
学校を辞めざるを得なくなってしまう子どもたちのほとんどが女の子です。その理由としては、両親が朝に家を出て、食べ物を見つけたり、仕事をしたりする際の留守番をさせられるのが女の子だからです。他の理由としては、幼いうちの結婚も挙げられます。
2015年に、マラウイの歴史の中では最悪の大洪水があり、その影響で多くの農作物に多大な影響が出てしまいました。多くの農家の穀物が被害を受けてしまったのにとどまらず、村事態も復旧が不可能なほどに大打撃を受け、家の多くも流されてしまいました。もちろん、それぞれの家庭の家畜も、死んでしまいました。
マラウイの子どもたちの10人のうち5人は、栄養失調になってしまっています。彼らは、しっかりとした栄養管理がないと、体調は回復しなくなってしまうのが現実です。すでにマラウイの多くの子どもたちは5歳の誕生日を迎えることができません。
5歳以下の子どもたちは、洪水が起こった際に最も被害を受けたにも関わらず、彼らを助けられる手段がありませんでした。食事を与える場所もなく、もちろん保育園などの施設で食事をすることはできませんでした。そうした状態を目にし、せいぼは子どもたちの必要としている支援をすることにしました。
2016年2月11日には、チリモニ地区にある地元の幼稚園から給食支援が始まり、日本、そして海外からの支援も加わりました。その結果、給食支援を開始して最初の月に、633人の子どもたちに給食を届けることができました。しかし、今でも国連のWFPによると、37%の五歳以下の子どもたちが栄養失調となっているとの発表があります。私たちの活動は、まだ始まったばかりなのです。
今は500万人の子どもたちが、マラウイの小学校には登録されています。そのうち、60%が都市部に位置している小学校です。私たちは田舎にある小学校の集結している部分に対して集中的に支援を行い、それと同時に5歳以下の子どもたちにも、保育園を通じて、給食支援を行っています。
私達にとっての目標は、温かい給食で世界中の子どもたちを飢餓から救うことです。空っぽのカップを持った子どもたちの姿と食べ物でいっぱいのカップを持った子どもの姿の間の違いはなんでしょうか。本来、みんなひとりの子どもに変わりはありません。子どもたちの姿は、私たちがどの国に足を踏み入れるかで変わってしまいます。学校給食は、そうした違いをなくし、全ての子どもたちが自分の将来を輝かせることができる機会を提供してくれます。